当院の予防接種について
当院では、インフルエンザや肺炎球菌の予防接種も実施しております。また、風疹ワクチンなどその他の任意の予防接種についても対応できる場合がございますので、まずはお気軽にご相談いただければと思います。
予防接種とは
感染症の原因となるウイルスや細菌などから作ったワクチンを体内に接種することを予防接種と呼んでいます。ワクチンは、病原菌を弱毒化させるか、もしくは無毒化させることによって作られます。 予防接種によって体内に抗体(=病原体と結合して体外に除去する働きをもっているたんぱく分子)ができますので、接種後はその感染症の予防、かかったとしても軽症で済むといった効果が期待できます。
予防接種に関するご注意
原則予約は不要ですので、接種されたい日に直接ご来院いただければと思います。なお、予防接種の受付は診察15分前に終了となりますので、ご注意ください。
また、接種については、事前に「予診票」をよくお読みになった上で、内容を理解してから受けていただくようお願いいたします。
予防接種を受けられない方/受ける際に注意が必要な方
- 37.5℃以上の発熱がある
- 重い急性疾患を起こしている
- 心臓病、腎臓病、肝臓病、血液疾患などがあり、治療中である
- 鶏卵や安定剤などワクチンの成分にアレルギー反応が出る恐れがある
- 過去に予防接種をしてから2日以内に、発熱や発疹、じんましんなどのアレルギー症状を起こしたことがある
- 痙攣を起こした経験がある
- 過去に免疫不全の診断がなされている、もしくは、ご家族の中に先天性免疫不全の方がいるなど
※上記内容に当てはまる項目があるか、もしくは当てはまらないが不安なことがある場合には、お気軽に当院までご相談ください。
予防接種後の注意点
接種が終わってから10分程度は、何かあった際にすぐに医師と連絡が取れるようにしていただきたいので、10分程当院で待機していただいております。
また、接種した部位に異常が現れたり、体調が優れないといった場合には、すぐに医師に連絡するようにしてください。そして、接種後24時間は体調が変わる恐れもあるため、激しい運動や飲酒はお控えください。また、接種部位は清潔にするようお願いいたします。
インフルエンザワクチン
インフルエンザとは
インフルエンザウイルスというウイルスに感染することで起こる感染症です。主な症状としては、38℃以上の高熱、頭痛、関節痛、筋肉痛、寒気などの全身症状が挙げられますが、一般的な風邪と同じように、せき、のどの痛み、鼻水といった症状も現れます。特に、子どもや高齢者は重症化リスクが高いです。子どもは中耳炎を同時に発症することが多く、重症の場合は急性脳炎やけいれんを起こすこともありますので、注意してください。また、高齢者の場合は、肺炎の併発リスクが高まるため、こちらも要注意です。
インフルエンザ問診票を事前に記入していただければ、スムーズに進めることが可能です。
毎年の接種で予防
インフルエンザウイルスは、毎年その性質を変化させる特徴があるため、異なるタイプのインフルエンザが毎年流行します。したがって、予防接種についても毎年実施する必要がると言えます。
インフルエンザワクチンの接種時期
インフルエンザワクチンは、接種してから効果が出るまでに2週間程度かかるものです。効果自体は5か月程度続きますので、可能であればインフルエンザが流行する時期にあわせて事前に摂取しておくことをおすすめします。日本では、インフルエンザが流行するのは例年12月~翌3月頃ですので、そこから逆算して、毎年10月下旬~12月頃を目途に接種を済ませておくと良いでしょう。
肺炎球菌ワクチン
肺炎とは
細菌やウイルスなどの病原菌が肺の中に感染して炎症を起こしている状態のことを言います。通常は、人間の体では呼吸器の防御機能によって肺炎を引き起こす病原菌は体内へ侵入できないようになっています。しかし、加齢や病気、ストレスなどによって病原菌の侵入を許してしまうことで、上気道から下気道を通り肺へと感染して、肺炎を引き起こすのです。
2013年に厚生労働省によって発表された人口動態統計(確定数)によると、肺炎は日本人の死因原因の中でがんと心臓病に次いで多く、第3位となっています。特に、65歳以上の高齢者は肺炎の感染率が高く、また治りづらく慢性化しやすいと言われているため、注意してください。
肺炎球菌ワクチンの接種で予防
肺炎は様々な原因菌によって発症しますが、肺炎球菌による感染が最も多いことで知られており、成人で肺炎を患っている患者さまのうち20~30%程度を占めると考えられています。肺炎球菌ワクチンを接種することで、肺炎などの感染症の予防と、感染した場合の重症化を防ぐ効果が期待できます。なお、このワクチンだけでは全ての肺炎を予防することはできませんので、日ごろから感染症予防対策を怠らないようにしていきましょう。
インフルエンザワクチンとの併用接種
インフルエンザワクチンとの同時接種を行うことで、肺炎の予防効果がさらに高まると考えられています。
帯状疱疹ワクチン
生涯の内、80歳までに3人に一人が発症すると言われている疾患です。50歳以上の方で、水痘にかかった経験がある場合には、帯状疱疹予防ワクチン(水痘ワクチン)を受けることが可能です。
当院では2種類のワクチンを取り扱っています(水痘ワクチン、シングリックス)。
水痘ワクチン | シングリックス | |
---|---|---|
ワクチンの種類 | 生ワクチン | 不活化ワクチン |
接種回数 | 1回 | 2回 (2ヶ月あけて2回目を接種する必要がある) |
予防効果 | 50~60% | 90% |
持続期間 | 5年くらい | 9年以上 |
副作用 | 接種部位の腫れや痛み (皮下注射) | 接種部位の腫れや痛み (筋肉注射のため痛みの頻度が多い) |
料金 | 7,700円(税込) | 23,000円/回(税込) |
メリット | 1回で済み、値段も安い | 予防効果が大きく、効果の持続も長い |
デメリット | ・生ワクチンなので免疫が低下している方には打てない ・持続期間が短い |
・接種時に痛みを感じる方が多く、接種回数も2回必要となる ・接種費用が高い |